早稲田大学 基幹理工学部

応用数理学科

Department of Applied Mathematics

School of Fundamental Science and Engineering, WASEDA University

News & Information [Archive]

  • 2025年6月10日:清水泰隆 教授が、第19回日本統計学会 研究業績賞を受賞しました! [Link]
  • 2025年4月1日:平田秋彦 教授、村松純 教授が着任しました。

あらわす、つなげる、うみだす
― 応用数理は未来への扉

AIやデータサイエンスが社会を変革する今、その根底にあるのは数学の力です。この時代に求められるのは、数学の知識だけでも、ITスキルだけでもなく、実社会の課題解決に数学を応用できる人材です。応用数理学科では、現象数理・統計数理・情報数理の三つの柱を通じて、抽象的な理論と現実の具体的な課題を結びつけられる人材を育成します。卒業生はIT企業、金融機関、メーカーの研究開発部門、教育研究機関、官公庁、コンサルティング会社など、幅広い分野で活躍しています。数学への深い理解と創造的な発想が出会う場所で、あなたの好奇心を未来につなげてみませんか。

あらわす驚き

自然現象や社会の動きや、ソフトウェアの中のデータ処理など、身のまわりにひそむ複雑な構造を、数学の力で「見える」かたちにする。その驚きと感動こそが、応用数理の醍醐味です。応用数理学科では、数学科と連携した基礎教育のもと、最先端の数理科学・統計科学・情報科学を深く学び、数学で世界を読み解く力を磨きます。

つなげる愉しみ

応用数理学科では数学と数学以外の分野をつなぐ融合研究が重要なテーマとなっています。情報学、統計学、工学、経済学、医学、生物学、化学、物理学など多様な分野への橋渡しを通じて、数学の力で科学技術や産業に貢献するとともに、数学の新たな可能性を拓く最先端の研究を行っています。

うみだす喜び

抽象的な理論が、現実世界を動かす革新的な技術に変わる瞬間。それは何にも代えがたい喜びです。応用数理学科では、気候変動の予測モデル、人工知能に関わる新しいアルゴリズム、金融リスクの評価手法など、数学を駆使して現実世界のさまざまな課題を解決する新技術を生み出しています。


Curriculum

カリキュラム


応用数理学科の専門教育は、1年次の基幹理工学部の共通教育を終えた後に、2年次から始まります。数学科と連携した基礎数学の講義に加え、応用数理学科ならではのコンピュータ・情報、確率・統計、物理・化学の授業があり、さらに応用数理実験や演習・ゼミで応用力を鍛えます。4年次には研究室に配属され、最先端の応用数理の研究に挑戦します。4年次には大学院科目の先取り履修も可能です。幅広い分野の選択科目があり、自分の興味に合わせた学びができるのが特徴です。

確率・統計分野の専門科目の例

豊泉洋教授の「ビジネスと確率の数理」は、オペレーションズリサーチの一分野である「応用確率論」や「待ち行列理論」を使って、さまざまなビジネスモデルを確率的に分析・評価する方法を学ぶ講義です。複雑な現象やシステムのモデル化と解析に必要な確率論や確率過程の基礎をしっかり身につけたうえで、在庫管理、サービス産業、通信ネットワーク、コンピュータ、生産システムなど、実社会で使われている仕組みへの応用を考えていきます。講義だけではなく注文処理方式の違いによる店舗運営効率の良し悪しをシミュレーションする学生参加型の実験などもあり、ビジネスの背後にある数理の面白さを理論と実践の双方向から体感できる授業です。

情報分野の専門科目の例

早水桃子准教授の「離散数学入門」は、コンピューターサイエンスの基礎となるグラフ理論とグラフアルゴリズムの入門講義です。グラフやネットワークは電車の路線図やSNSの交友関係など、日常生活のさまざまな場面に現れます。この授業では、グラフ理論の定理やアルゴリズムを学び、実社会のさまざまな課題を解決する数理的思考力を身につけます。扱う題材は、迷路脱出や乗り換え検索の最短経路、道路網や通信網の最適設計、効率的な配達ルート探し、結婚相手のマッチング、労働者への仕事の割り当て、スポーツチームの対戦スケジュール作り、地図の彩色問題など、身近で実用的なものばかりです。全ての授業動画がYouTubeで公開されており、毎年理工以外の学部からも受講生が集まる大人気の講義です。

コンピュータ分野の専門科目の例

荻田武史教授の「数値計算」は、コンピュータを使って方程式などの数学の問題を効率的に解くための理論と方法を学ぶ講義です。私たちの身のまわりの科学技術や社会システムは、コンピュータによるさまざまな計算や処理によって支えられており、気象予測、画像処理、交通シミュレーション、ロボット制御など、あらゆる場面に数値計算が関わっています。ところが、コンピュータの計算には、実は小さな誤差がつきものです。わずかな誤差が、重大な間違いにつながることもあります。この講義では、コンピュータによる計算の基礎から始めて、様々な方程式や積分などに対する数値計算の方法(アルゴリズム)や誤差の評価方法について学びます。さらに、C言語やMATLABを使ったプログラミング演習にも取り組み、理論と実践を結びつけながら、信頼できる数値計算の力を養います。


List of Professors
教員一覧

応用数理学科では、現象・統計・情報の三分野を軸として、それぞれの専門分野の教員が最先端の研究と、世界トップクラスの教育を展開しています。これらの分野は互いに重なり合って、応用数理の豊かな世界を形成しています。

現象数理系

非線形系、ソリトン、数理物理、 応用幾何学、材料科学、系統解析,生命現象、自然現象、社会現象など、多様な現実の現象に対して数学的にアプローチします。

統計数理系

数理統計学、確率論、時系列解析、金融・保険数理、医薬統計、データサイエンス、機械学習など、データに基づき意思決定を下すための数学的手法を研究・開発します。

情報数理系

情報理論、符号理論、暗号理論、 精度保証付き数値計算、最適化、グラフ理論、アルゴリズム論など、情報と計算に関わる諸分野に対する数学的アプローチを探求します。


Career Paths after Graduation
卒業生・修了生の進路

主な就職先

クリックすると代表的な就職先の一覧が見られます。

  • パナソニック,日立製作所,富士通,NEC,ソニー,東芝,三菱電機,日本IBM,シャープ,キャノン,富士ゼロックス,キーエンス,etc.
  • NTT東日本,NTTドコモ,NTTコミュニケーションズ,NTTデータ,KDDI,ソフトバンクモバイル,etc.
  • 新日鉄住金ソリューションズ,日本電子計算,日本ユニシス,三菱UFJインフォメーションテクノロジー,NTTソフトウェア,NECソリューションズ,伊藤忠テクノソリューションズ,東芝インフォメーションシステムズ,etc.
  • 早稲田大学,東京大学,東京工業大学,新潟大学,京都大学,大阪大学,九州大学,慶應義塾大学,物質・材料研究機構 etc.
  • 早稲田大学高等学院,早稲田中学・高等学校,聖心女子学院,白百合学園,日本大学第一中学校・高等学校,恵泉女子学園中学・高等学校
  • 新日鐵住金,JFEスチール,神戸製鋼所,三井金属,古河電工,日立金属,日立電線,etc
  • 三菱重工,石川島播磨重工業,コマツ,いすゞ自動車,本田技研工業,ブリヂストン,川崎重工業,村田機械,トヨタ自動車,etc
  • 日本銀行,三菱東京UFJ銀行,みずほFG,三井住友FG,りそな銀行,横浜銀行,日本政策金融公庫,BNPパリバ銀行,JPモルガン・チェース,etc.
  • 野村證券,大和証券,SMBC日興証券,スパークス・アセット・マネジメント投信,三菱UFJモルガン・スタンレー証券,etc.
  • 日本生命,第一生命,住友生命,三井生命,明治安田生命,フコク生命,東京海上日動火災保険,損保ジャパン,JA共済,損害保険料率算出機構,etc.
  • JR東日本,JR東海,JR西日本,東急電鉄,日本航空,etc.
  • 東京電力,東京ガス,沖縄電力,etc.
  • 朝日新聞,読売新聞,日本経済新聞,電通,サイエンス社,大日本印刷,凸版印刷,etc.
  • 三菱商事,三井物産,丸紅,住友商事,伊藤忠商事,etc.
  • 野村総研,日本総研,大和総研,富士総合研究所,etc.
  • 総務省,特許庁,東京都庁,千葉県庁,etc.
  • リクルート,アシックス,中外製薬,サントリー,コナミ,TOTO,日立物流,etc.

学部卒業後の進路

卒業後は応用数理の専門性を高めるために大学院修士課程に進学する学生が多いです。もちろん、応用数理学科は就職に強いのでIT企業や金融や商社やシンクタンクなどで活躍する卒業生たちも多数います。学部からの推薦枠をはじめとする就職サポート体制も充実しています。

修士課程修了後の進路

修士課程(数学応用数理専攻)修了後は、数理・情報・統計の強みを活かした多彩な進路があります。例えば、データサイエンティスト、システムエンジニア、ソフトウェア開発者、ITコンサルタント、クオンツ、アクチュアリーなどです。博士課程に進学して数理科学の専門性をさらに高めることもできます。